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ロックダウン30日目

 

私が住む町では、民間支援団体から100ドル分のスーパーで買い物できるクーポンが希望者に毎週支給されている。

オンラインから個人情報の入力をして申請をすると、後日本人確認の電話が来る。そこで好きなスーパーへ行く日時の指定があり、その場でクーポンがもらえるという流れだ。国から給料支給があるだけでもありがたいのに、食費まで援助してくれるとは優しさが溢れすぎている。それも申請すると毎週100ドル(約6500円)支給してもらえるのだ。これは子どもがいる家庭には特に喜ばれる支援だと思う。(子ども一人の家庭は週に400ドル)

私は今回初めてこの制度を利用すべく夕方5時に指定のスーパーへ向かった。

カスタマーサービスでパスポートを見せるとすぐにギフトカードをプレゼントしてくれた。これがデビットカードのようになっていて、購入金額がその場でカードから引かれ、残りは後日使えるというシステムだ。いつもよりありがたみを感じながらゆっくり買い物をした。

 

支援団体の皆様ありがとう

 

 

 

 

今回も昨日のつづき、ジャイプール編である。

ジャイプール観光で出会ったトゥクトゥクドライバーのカーンの自宅へ招かれることになった。

彼の家に向かう途中に聞いてみた。観光客を家によく招くのかと。

ドライバー歴はそこそこ長く今まで数えきれないほどの乗客と出会っているであろう彼だが、意外にも私で2人目なのだとか。気が合って仲良くなれそうだと思った人だけしか招かないよ、と言ってくれた。

自分に置き換えてもそうだと思った。家族がいる家に、客を乗せるたびに連れて帰ったら家族も大迷惑かつ仕事も中断する訳なので収拾がつかなくなる。

それを聞いて少し安心した。

そして彼は、話しだした。

今生きているうちの行いはいつか全て自分に返ってくると信じている。僕はこの仕事を通して出会った人には笑顔で楽しんでもらいたいし、インドやジャイプールの街を好きになって欲しい。良いことをしたら自分も幸せになれるから。ただそれだけだよ。

生きているうちに経験したことや思い出は魂となってもあの世へ持って行けるけど、お金は持って行けない。一番大切なのはピュアなハートを持ち続けることだよ。と、宗教や哲学の観点から人として大切にしていることを話してくれた。これを聞いたときに彼は信用できる人だなと思った。インド人だからといって皆がお金にセコい訳ではないし、詐欺する人ばかりでもない。国、人種関係なく個々として見るべきなのに、旅先に来るとどうしても○○人は〜だ。のような凝り固まった思考になってしまう瞬間がある。

カーンと出会えて良かったと思った。

家に着くと、写真で見た通りのかわいい娘3人、高校生の息子と美人な奥さんが迎えてくれた。

 

母代わりのような包容力ある長女とまだ4ヶ月のかわいい三女

 

 

お世辞にも広いとはいえないワンルームの土間に家族6人で暮らしていた。キッチンではカーンワイフがロティとチキンカレーを作ってくれていた。料理の様子をしばらく見せてもらったがこれがとても興味深かった。

カレー粉は使わず、数種類のスパイスの実をすりつぶしパウダー状にしたあと、骨付チキン、トマトや水を加えて煮込むのだ。自分でもルーなしカレーを作ったことはあったが、スパイスの実から調達して作るカレーはインドならではだと思う。なんといっても香りの強さが格段に違うのだ。

 

慣れた手つきでカレーとロティをつくるお母さん

 

ロティ(ナンよりも薄くてフライパンで焼ける。家庭用ナンのようなもの)もなれた手つきで小麦粉と水を良い配分で混ぜ、何枚も焼いていく。娘たちは0歳、7歳、12歳で2人のお姉さんが下の妹を交代でお世話していた。しっかり者でありながら少し恥ずかしがりやの穏やかな子たちだった。高校生の息子はとてもシャイだったが大の車好きとのことで、当時ディーラーの受付で働いていた私は車の会話で打ち解けることができた。

家族と一緒にランチをごちそうになった。このカレーが今まで食べたどのチキンカレーよりも格別に美味しかったのである。

 

チキンカレーとナンと甘すぎるデザート

 

 

私が感動していると、もっと食べな!と、どんどん勧めてくれるカーンは、家ではおとなしいトラになるらしい。

奥さんをたてるほうが家庭は円満であり、決して経済的に裕福ではないが、家族が健康に元気でいてくれることが何より幸せだと語っていた。カーンめっちゃかっこいいやん。と、彼の人柄に惚れ込んだ。

また彼はサイドビジネスとして、オーストラリア人の宝石バイヤーから仕事をもらって、知人や友人に宝石店よりも格安で宝石を売っていた。彼が見せてくれた小さな宝石の粒は小ぶりながらも美しい輝きを放っており、宝石には無頓着だった私も思わず見入ってしまった。そして彼の家計の足しになればと思い、彼から小ぶりのオパールを購入したのだった。

これは後ほどアクセサリー工房にてオーダーメイドの指輪にしてもらうことにした。

帰り際、娘ちゃんが手作りのブレスレットをプレゼントしてくれたので、私も身につけていた指輪をあげた。ほんの数時間の交流だったが、次インドに来るときはこの家を拠点に旅行していいからね。もう私たちは友達なんだからと、優しい言葉をかけてくれたカーンワイフがマリア様に見えた。

 

カーンと次女

 

 

カーン一家のみんなと

 

 

ベタな言葉だが、旅の醍醐味は人との出会いだと思う。

どこに行って何をしたかよりも、誰と出会いどのような時間をすごしたかを大切にしたいと思う私には、彼らと過ごした時間が何よりも素晴らしいお土産となった。

名残惜しくも彼らとお別れをして、オパールの指輪をつくりに工房へと向かった。

 

トゥクトゥクでしばらく走ると中心部から少しはれた場所に、ジュエリーの販売とアクセサリー工房が併設されているお店があった。ここで、宝石を選び、その場でリングやネックレスを作ってくれるのだそうだ。そして希望すれば職人さんの製作過程も見学可能とのこと。

先ほどカーンから購入したオパールを持って、それに合うシルバーピンキーリングの作製をお願いした。

オーダーメイドにしては格安の1500円ほどだった。(オパール代を除く)

ジャイプールはアクセサリー好きな人にはおすすめの街だ。

お店にもよるが日本で購入するよりかなり格安でつくることができる。

 

小さなピンキーリング作製に励むおじさん。

 

寡黙でベテランの雰囲気を醸し出すおじいさんは、全て手作業で、緻密に丁寧につくってくれた。ここの職人さんはベースのお給料がとても安いので、一生懸命良い作品を作ってお客さんに喜んでもらいチップをもらうことで生活が成り立っているそうだ。本来チップの意義は、質やホスピタリティーに比例した満足度、感謝の気持ち分だと思うのでインドでこのような風潮がもっと広まればいいなあと思った。インドでは質やサービスが伴わない仕事をする人に限って、チップの上乗せ請求や不当な価格交渉をしてくるから厄介だ。

 

職人さんたちは、普段から観光客に製作過程を見られ慣れているからか、集中力がものすごいのである。目の前の宝石とひたすら対話するかのように作り、仕上げた。

 

見るからに人の良さが滲み出ている職人さんと

 

カーンとの出会いによって私の元へやって来た小さなオパールリングは、またひとつ大切な思い出の品となった。

 

その後、カーンの友達が経営している生地屋さんに行った。ここでは、自分で好きな生地を選び洋服をつくってもらうこともできる。私はインド綿のワンピースをつくってもらうことにした。オーナーのおじさんが親日家でとても気さくに話しかけてくれ、会話も盛り上がった。

 

すると今夜夕飯(=カレー)を一緒にどうかな?と誘って来た。

出会って数十分のおじさんからの誘いに再び戸惑った。

でもどうせ夜は一人だし、カーンの知り合いということもあって承諾した。

 

夜7時に君のゲストハウスに、完成したワンピースを持って迎えに行くよ。と言われ再び会うことになったのだった。

 

 

つづく

 

 

 

 


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