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夫は、私の周りにいる人の中でも特に不思議な人という位置づけだ。

 

自転車で世界を旅していたのに、超絶インドアである。趣味はゲームとプログラミング。

旅に出ること以外のアウトドアはそんなに好きではないらしい。

 

自転車にのることが好きなのかと思いきや、近く気分転換程度のサイクリングは好きではないとのこと。

目標を決めて長距離を走るのが好きらしい。

 

何か問題が起きた時、おどろくほど冷静。

日常の中に転がっている些細な幸せを沢山拾って感じている。

 

上記の2つは、私が夫のリスペクトしている部分でもある。

 

これらは、自転車旅を通して培った能力と言える。

旅の道中はハプニング、アクシデントの連続だ。それにいちいち一喜一憂していては身が持たないらしい。

夫は、全ての物事がうまくいかない前提で旅をすることで、何か問題が起こった時に冷静に対処できる力と、うまくいったときに感じる達成感と充実感を糧に、約2年半世界の道なき道も走って来たらしい。

 

砂漠で遭難して死にかけたり、強盗にあったり、野生動物に怯えながら外でテント生活など、日常では経験できないことをしてきたからか、幸福を感じるハードルがとても低いように感じる。

 

日々一緒に暮らしていると気づくのだが、気分のアップダウンはほとんどなく、お風呂あがりにさっぱりして幸せ、私がつくったごはんを(手抜きのものでも)食べて幸せ、横に並んで町を歩いているだけで幸せだとよく口にしている。

最近分かったのだが、幸福の感度が高い人と一緒にいると、自然と同じ気持ちになってくる。

目に見えない幸せも伝染するんだと知った。

 

口下手でシャイなところは、私のおしゃべりで底抜けに明るいところでバランスを取っていると思う。

 

 

コロナで自転車旅ができなくなり、しばらく旅は封印するとのこと。

次の旅は、いつかこどもも一緒に家族で、キャンピングカー旅をしたいと言うようになった。

 

マチュピチュ、ウユニ塩湖、カンクン、アタカマ砂漠、アメリカのルート66、イースター島、ナスカの地上絵、どれもミーハーな有名観光地であるが、私が行ってみたいところに夫は自転車で行っている。

 

いつか、あの頃を懐かしみながら案内したいと言ってくれている夫に淡い期待をしながら、

今日も代わり映えのしない長閑な日常を過ごす。

 

 

 

 

エジプトのダハブでもインドアだった夫

 

 

 

 

おわり

 

 

 


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