先日フラットメイトの誕生日だった。
急遽、ケーキを焼くことになり甘過ぎないココアパウンドケーキをこしらえた。
誕生日の主役Mくんは、朝からタトゥーを入れに出かけており、さすがに夜の10時までには戻ってくるだろうと予測していたが、一向に帰ってくる気配がなく、気づけば深夜の1時近くになっていた。
私は基本早寝早起きなので、白目を向きながら待っていた。寝落ち寸前に、ようやく新しいタトゥーとともに新しい歳を迎えたMくんが戻って来た。ここで一気に覚醒!することはなかったが、歌を歌ってロウソクを消してもらった。
彼が甘いものがあまり好きではないと知っていたので、砂糖を少なめにしたシンプルバースデーケーキを準備した。
幸いにも喜んでくれて、その場でケーキカットをして3人で食べた。
腕に入ったタトゥーについて興奮気味に説明するMくんと、それをしっかり聞いているHちゃんを残し、足早に部屋へ戻った。
主役には申し訳なかったが、白目を向きながらも起きていたことが奇跡だった。
他のシェアメイトにも声をかけていたが、翌朝早いから寝るメンバーと、誕生日なんてそんなに重要じゃないわ、とさらっと言って寝たメンバーもいた。
皆それぞれさっぱりはっきりしている性格のフラットメイトたちとは、とてもラフな関係だと思う。
とにもかくにもMくんにとって良き1年となることを願う。
そんな今日は、久しぶりにボルダリングに行った。
登山トレッキングが大好きなHちゃんは、日本からボルダリングシューズを持参して来ていた。
さすがだなと思ったが、驚かなかった。
日本から持参したものについてだが、彼女は防寒着をあまり持って来なかったと嘆いていたが、あの万能調味料でおなじみのウェイパーを持って来ているのを知ったときはさすがに笑った。
調味料のレベルもハイクラスである。いくらウェイパーが万能だからといってもさすがに私も思いつかず、普通の和風だしを鞄に忍ばせて来たレベルだ。
彼女の習性を見ているとツッコミどころ満載で笑いが起こる。1日に10杯紅茶を飲むことがあるくらいカフェインを多めに摂取している彼女は、ある日思いついた。何倍もおかわりするのがめんどくさいから、ジョッキで飲めば良いのだと。
それ以来、ビールジョッキで紅茶を嗜んでいる。
話はだいぶそれたが、久しぶりのボルダリングは楽しかったが全然登れなかった。
私よりも、背は小さいのに足は長いちびっこたちが、実に上手であった。
私ができない課題を目の前でいとも簡単にクリアしていく。
あまりにも華麗な身のこなしに悔しさはなく、賞賛してグータッチをかわした。
一緒に行ったHちゃんとKさんは、こなれた様子で課題をクリアしていく。負けず嫌いな私は、できない課題があるとクリアするまで粘るタイプなのだが、今日は何度やってもできないものが多く、ただただ体力の消耗を感じているだけであった。
しっかり全身運動をしたので気持ちよく汗をかきたかったが、館内が寒すぎて1滴も汗をかけなかった。
こっちの方がよほど無念である。
Kさんは仕事の都合で、急遽明日からこの街を離れて、遠く離れた地へ行ってしまう。
最後の晩餐はタイ料理へ行った。彼には、車で様々な絶景スポットに連れて行ってもらえて感謝しかない。
Hちゃんを通して知り合ったので、3人で出かけることが多かった。この3人でいると、NZ感が一切なく、日本のどこかで会っているような感覚になっていた。それほど気の置けない空気感だったのかなと思う。
しばらく会えないのが寂しいが、また必ず再会できると思っている。
Kさんの撮る写真が好きで、SNSにアップされるのが愉しみなので、彼の日常や活躍を今後も静かに追って行きたい。
Kさんありがとうございました。新天地でもお元気で。
帰宅後は、日本にいる友人にピラティスレッスンを開講した。
オンラインのレッスンに良いイメージがなかったらしいが、愉しんでくれたようで何よりだった。
きつくても楽しいと思えなければピラティスはつづけるのが難しいように思うので、今後も愉快で的確、丁寧なレッスンを提供していきたいところだ。
おわり