ロックダウン11日目
今日はNZのとある家庭で住み込みナニーをしたおはなし。
ファミリーとの出会いは、とあるナニー募集の掲示板を見て応募したことがきっかけだった。2歳と14歳の娘を育てる忙しい共働き家庭のサポートを一週間住み込みでさせてもらった。
メールでコンタクトを取ってお母さんと事前面談をし、後日自宅へ向かい2歳の娘さんとお父さんに会った。
玄関で迎えてくれたのは大きな瞳が印象的な肌の色が黒い女の子。(Bちゃん)
その子はインド人のこどもとよく似ていた。ニュージーランド人夫婦の家庭だと聞いていたので少し驚いたが養子縁組をして引き取った子なのだろうとすぐに理解した。ただしばらくはそのことについては触れないようにした。
後日この件についてお母さんに聞いた。不妊治療をし2人目の子どもを望んだけれど出来なかったそう。
悩んだ末に養子としてインド系フィジー人の子どもを育てることになったと話してくれた。ニュージーランドでも他国籍のこどもを養子として引き取るケースは稀。ここでの養子縁組は、Bちゃんの生みの親がどの親御さんに育ててもらいたいかを選ぶ権利があるそうだ。面談の後家庭環境や両親の人柄などを総合的に判断した上で選んでもらったと彼女は幸せそうに話してくれた。
2歳半のBちゃんは、すでにおしゃべりがとても上手でおままごとがだいすきな活発な子だった。最初のうちは人見知りもあってか会話もままならなかったが、こちらから積極的に歩み寄ると徐々に打ち解けることができた。おままごとやカードゲーム、お買い物ごっこをして遊んだ。ルール説明や相手にして欲しいことをはっきりと言える利口な女の子だった。
ここからはナニーを通して感じたことをいくつか伝えたい。子育てにおいては世界共通でこれと言った模範解答はない。国や家庭によって千差万別なのは理解した上でかいていきたい。
まずは良いと思った点から。
①こどもとの向き合い方
忙しい日常の中でも父母が交代で常にこどもの話にしっかりと耳を傾け、一人の人として接している様子が伝わって来たこと。こどもが話したことを、そうなのね。と一旦受け止めてから親側の意見も伝える。
これはコミュニケーションにおいて大切なことだと思った。
②こどものお手伝い
私が家の壁を拭き掃除していると、Bちゃんは水でびしょびしょに濡れたタオルをもって壁を一緒に拭いてくれた。お母さんはそれを見て雑巾の絞り方を教えようとしたが、彼女は自分のやり方でやりたいと主張しそのまま続行。
床や壁が水浸しになったが、手伝おうとした行為に対してgood jobと褒めていた。その後しっかり絞らないと濡れてしまうことも説明していた。
この場面から子どもの手伝いたいという気持ちを尊重し、家族の一員として接している様子が見受けられた。
③家事育児分担性
両親二人三脚育児をしていた。どちらかに負担が偏ることもなくごく自然に家事と育児を分担している様子だった。また毎晩ベッドタイムストーリーを読むのはお父さんの役目で父娘が仲睦まじくベッドで語り合う姿は愛おしい光景だった。Bちゃんは大のパパっ子だとお母さんが教えてくれた。
④スキンシップとコミュニケーション
これは国ごとで文化の違いもあるが、世界中でありふれて欲しい幸せな日常だと思った。子どもを抱きしめる、キスをする、愛のある言葉を伝える。挨拶はきちんとする。
両親や周囲からの惜しみない愛情を受けて育てば、その子はきっと他者にも愛をわけることができる人になると思う。
長くなりそうなので続きはまた明日。