年末年始は、Coromandelで過ごした。
30日から4日まで、ひさしぶりにゆったりした休暇だった。
大晦日は、1時間ほど山道を走った森林の奥地にあるWairua Lodgeに宿泊。
コロマンデルと言えば、海岸沿いが人気のエリアかと思うが、ここは多雨林の中にある静かな場所で川のせせらぎ、鳥の声を聴きながら心穏やかに年を越せそうだと愉しみにしていた。
以前のブログにもかいたが、ここ数年の年末年始は体調不良やハプニングに見舞われて、穏やかとはほど遠かったので、この宿をセレクトしてくれた夫には感謝しかない。
着いてみると、想像以上に素敵な場所で心踊った。
オーナーさんも気さくで親切で、ロッジも清潔かつハイセンス。特に、森の中にある貸し切り露天風呂にはとても癒された。
また、敷地内に森林浴をしながら歩けるコースもいくつかあり、初心者から上級者まで自分に合ったルートで散策ができるのも魅力的だ。妊婦でなかったら、ロープをつたって9mの岩山を登る上級者コースに挑戦したかった。
途中に滝や流れのない川のプールもあるので子連れでもたのしめると思う。
夜は、たき火をしながら宿泊者とオーナー夫婦で、新しい年を迎えて祝い合った。
宿泊者同士でのたわいもない会話や、マシュマロやトウモロコシを焼いて食べたりと、それはそれはおだやかな時間だった。
2021年、何事もなく無事に迎えられて心底ホッとした。
朝食は、オーナーさんが平飼いしている鶏の卵と、てづくりの胚芽パン、ご近所さんからのてづくりジャムなど、素朴で温かみのある食材ばかりで嬉しかった。
元旦は、沢山歩きたいという私の要望を受け、夫がCathedral CoveのWalkwayに連れて行ってくれた。
整備された遊歩道をゆっくり寄り道をしながら歩くと、美しいCoromandelの海が見えて来た。
Mt.Maunganuiの海もとても綺麗だが、それとはまた異なる色の海で、浅瀬はエメラルドグリーンに輝いていた。
サップやシーカヤックもしたかったが、時間の都合で今回は断念。
翌2日は、思いつきでThe Pinnaclesへ。妊婦が登山をすることは賛否両論だと思うが、どちらの意見にも肯定的だ。
さすがにこどもの命を背負って登ることには、普段の何倍もの神経を使ったし、危険と隣合わせでもあるので決しておすすめはできない(山の難易度にもよるが)。
Pinnaclesは、正直妊婦向けではないなと思った。この日は生憎のお天気で、雨に濡れながら、滑りやすい岩山を登って行くことは容易ではなかった。
私たち以外の登山者は皆、山頂付近のハットに1泊して、アタックしていた。
また、裸足大好きなNZ人もさすがのこの山ではトレッキングシューズを履いていた。
しかし夫は、ビーサンで登頂したのでさすがに感心した。自転車で世界一周中もサンダルで漕いでいて、旅仲間に驚かれたらしい。強靭すぎる。
我々は急遽登ることを前日に決めたので、日帰りで荷物も持たずに行ったのだから、何が何でも下山しなければならないという多少の不安もあった。
しかし、普段よりも疲れやすい身体であるはずなのに、山から与えてもらえる目には見えないエネルギーが大きくて、山頂に近づけば近づくほど元気になっていったのは不思議な体験だった。
さらに驚くことに、偶然だとは思うが登山の翌日から胎動をより一層強く感じるようになった。
まめ(胎児)も山からエネルギーをもらったのかもしれないと、都合の良い解釈をしている。
日帰り往復7時間登山の代償として、翌日はWaihiに1泊してベッドから起き上がるのも辛いほどの筋肉痛になった。
最終日は、Paeroaという小さな町に宿泊し、鉱山跡地の散策を愉しんで、家路についた。
夫は、自転車に乗るのはだいすきだが、歩くのはあまり好きではないらしい。
今回は、宿の予約からアクティビティの計画まで全て彼に任せっきりだったのだが、歩くのが好きな私が喜ぶプランをたててくれたのが心底嬉しかった。
しばらく旅行は行けないので残念だが、新しい1年が始まった清々しさと、家に着いた時の安心感から、日常生活に戻れることへの幸せを噛み締めた。
何気ない日常があってこその、非日常の至福の時間とも言える。
2021年は、新しい家族との出逢いから、母親になるということはどういうことなのかを実感できる貴重な日々になりそうだ。
おわり