夫は毎日語学学校に行っているので、朝お弁当をつくっている。
決して人様に見せられるようなきらびやかなお弁当ではく質素なものなのだが、いつも美味しかったよ、ありがとうと言って帰ってくる。
夫は好き嫌いをせず何でも食べるのだが、あまり好きではないものが意外と沢山あることを、一緒に暮らし始めてから知った。
小さい頃から、相手を想いやることができる優しい性格の故か、お弁当に好きではないものが入っていても文句を言ったことがないそうだ。
なので、私がつくる弁当や料理にも文句をほとんど言わない。美味しいけど、実はこの食材はあまり好きではないんだ。
と、たまに控えめに言う程度である。
それとは対象的に、私は小さい頃から味にとてもうるさいこどもだった。
両親ともに料理上手な家庭で育った為、舌が繊細だったということなのだろうか。少し味付けが好みではなかったり、いつもと違っていたりすると、ためらうことなく評価をする生意気な少女であった。
お弁当の話をしていると、たまに思い出すのが中学生の時に起きた、お弁当が洗剤の味事件だ。
部活の合間に昼食で持参した母親のお弁当を食べると、白飯が洗剤の味がしたのだ。
おそらく、お弁当箱に強い洗剤の香りが残っていたからなのであろう。
とっさに身の危険を感じ、友人にも確認してもらったが、やはりごはんから洗剤の香りがする。
洗剤味のお弁当をつくった母親は全く悪気がなかったのに、絶賛反抗期かつわがまま娘であった私は、母親に怒りの電話をし、急遽パンを買って学校に届けてもらったことを思い出した。
今考えただけでもあの味と、光景がフラッシュバックする。しかし、母親に対しての態度も酷かったと、今更ながらつくづく反省。
いつか、こどもにもお弁当をつくる日が来ると思う。
キャラ弁は、不器用なのでつくれないし、つくりたくないと思っているが、こどものすきなものときらいなものを把握して、栄養面を優先するよりも、こどもの好きが詰まったものをつくってあげたいなと思う、この頃。
話変わって、先日夫が2泊3日のショートトリップに連れて行ってくれた。
たまたまその日が、交際を始めた日で、この2年はめまぐるしい変化があったねと、振り返りながらリフレッシュできた休暇だった。
プタルルにあるBlue Springというミネラルウォーターの採取地でもある場所や、ロードオブザリングのロケ地となったホビット村を訪れた。
どちらも個人的に、誰かにおすすめしたいくらい好きな場所だった。
ホビット村は、映画ファンにはたまらない場所だとは思うが、映画を知らない人(わたし)にとってもたまらなかった。自分の中でイメージする、不思議の国のアリスや、くまのぷーさんに出てくるような世界観に勝手に浸れたし、2時間かけて歩きまわれるほど広大な敷地の中(元々は牧場)に、咲き乱れる多種多様の花や、歴史を感じる巨木に心踊らないはずがない。
正直、映画を知らない人の方が先入観もなく一面に広がるミニチュアな村の世界に新鮮な気持ちで浸れるのかもしれないとも思った。
その後、映画の村が使われているシーンのみちゃっかり鑑賞しました。満足。つづきはまたいつか。
Blue springは、往復3時間ほどのハイキングコースとなっており、川沿いをゆっくり上流へと向けて歩いていくと水の色が、透明から藻を反映するグリーン、そして鮮やかなブルーに変化していく様子が美しかった。
知らない場所に自分の足で出向くことができる幸せと、新たな発見に心踊る少女心を忘れずに、これからも好奇心旺盛に過ごしていきたい。
おわり