警戒レベル2 21日目
今日は気持ちのいい日だった。
2020年もあっという間に半年が過ぎた。そんな今日から始めたことがある。それは、ライフコストを知る為に個としての家計簿をつけること。いままでしっかりと付けて来なかったが、お金としっかり向き合うことにした。
もともと物欲はない方だが、NZに来てからより物に対する執着がなくなった。
しかし、食事に関してはお金をかけていると思うのでエンゲル係数は高めだと自負している。
今後は、スーパーで買う食材ひとつひとつに対しても、身体への投資(健康維持の為の栄養)なのか、消費(嗜好品)なのか、はたまた浪費なのか(その場の気分でとっさに買ってしまうもの)を考えながら使って行きたいと思う。
ここ最近、様々な家庭の子育てカウンセリングをしていて思うことがある。
世の中の親御さんたちは親として、個としての人生を歩めていると実感できる人はどれくらいいるのだろうか。
カウンセリングで、自分のためだけに使える時間がしっかり取れているかどうかを聞いている。
大抵の親御さんは、こどもが寝ている時や、保育園や幼稚園に行っているときはあると答える。
しかしその時間をどう過ごしているかを聞くと、溜まっている家事をこなしたり、テレビを見たり、スマホをいじったりすることであっという間に時間が過ぎてしまうのだそう。
その時間をどう使うかは本人の自由なので、こちらが何かを言える訳ではないのだが、心から笑顔になれる、好きなことに熱中できる時間がもっとあったら良いだろうなあと感じる。
子育ては大変だからこそ、時には力を抜いて母、父としてではなく個としての時間をたのしんで欲しいと思う。
以前私がよく行っていたバーには、こどもを寝かしつけてから飲みにくるお母さんがいた。
彼女はいつも楽しそうではつらつとしていて、その時はお母さんではなく自分に戻れる大切な時間なのだろうと感じた。
この時間があるからこそ、日々の子育ても頑張れているのだろう。
ベビーシッター時代、3ヶ月のお子さんを預けてくれた親御さんは、週に1度3時間、近くのカフェへ息抜きに出かけていた。乳児期で、常にそばにいること、睡眠時間が確保しづらい月齢だからこそ必要な時間だとも思えた。
その時間があったからこそ、心にすこし隙間(余裕)ができて、こどもとも前向きに向き合えているのかもしれないと思った。
お母さんになったから、お父さんになったから、自分の好きなことができなくなっても十分幸せだと思えるのであれば、それも良いことなのだと思う。
でも、親になったからこそ限りある自分だけの時間をどう過ごしたいか、もっと貪欲に考えて実行しても良いのになあと思わずにはいられない。
家事を完璧にこなすことで心が疲弊してしまうのであれば、一日放置して家事の時間を自分の時間にシフトするのも良いし、
親や親戚、地域の託児施設に頼れるのであれば、預けて遊びにでかけても良いと思う。
きっとこどもは、仕事や家事に追われて辛そうな親御さんよりも、家事が適当であっても、自分の時間を楽しく過ごせてにこにこしている親御さんを見るのが嬉しいんじゃないかと、こども時代のことを思い返しては、そう感じた。
子育てをしながら、個としての時間をどんどん増やす方法はある。
そのひとつは、こどもの自立を促し、サポートする環境づくりである。
モンテッソーリメソッドのテーマとも言われている、自立と自律。
自分で自分の世話ができるようになり、自分を律することのできる人という解釈だ。
こどもは全てのことができる能力を持ってこの世に生まれてくる。ただ、その方法を知らないだけ。と、マリアモンテッソーリは提唱している。
親がこどもの力を信じて見守り、時にサポートすることで、こどもはスポンジのように多くのことを吸収できる。
まだ出来ないから親がやってあげなくちゃではなく、発達に応じてできそうなことを見極めながら、
本人の意思を尊重→やり方を見せる(提示)→こどもの活動を見守る このサイクルがとても大切になってくる。
こどもの自己肯定感を育みたい、と願う親御さんは多い。
そのためには、こどもという枠組みを外し、ひとりの人として接することも大切なことだと思うのだ。
また、自己肯定感を育む上で、日常生活の小さなことから選択する習慣をつけるのも良い。
これから先の長い人生の中で、人は常に選択をしながら生きている。その日に何を食べるのか、どこへ行くのか、どの服を身につけるのか、どんな仕事に就くのか。大げさに言うならば、本人の選択によって人生の流れも変えられる。
自己決定力は今後生きて行く上でとても大切な要素だと思っている。
まだ1歳に満たないこどもでも、2つの絵本やおもちゃを見せることで好きな方を選択できるということを知って欲しい。
自分の選択に自信と責任が持てるようになると、自己肯定感も自然と育まれていくのではないだろうか。
少しでも多くの子育て家庭の親御さんが、仕事や子育て以外での趣味の為の時間が増えていく社会であってほしいと願っているし、今後も親御さんに寄り添ったサポートをつづけていくつもりだ。