ロックダウン10日目
18歳も終わりに近づいてきたある日。
貯金を使い果たす勢いで、キャンプ用品を購入した。どこかの森を求めて長距離バスとヒッチハイク、自らの足を駆使しMarglet river という小さな町にたどり着く。そこから歩いて30分ほどの場所に彼女の求めていた森があった。
こうして18歳の女の子によるオーストラリアでの森生活がスタートした。
9月から2ヶ月もの間暮らしていたという。
趣味のキャンプではなく、生きるためのキャンプだったと彼女は語ってくれた。
食事は極力お金をかけずに森でキノコを集めて木材でかまどを作り火をおこして料理をする日もあれば、町へ出てスーパーで廃棄のパンをもらうこともあった。
洗濯は木々にロープを張り服を乾かし、お風呂は週に1度町へ住民のシャワーを借りにでかけた。最高で10日間入らない日もあったという。
嵐の夜は怯えながらテントの中でじっと耐えるしかなかった。灯りは懐中電灯のみ。特に雷の日は死を覚悟するほど怖かったそうだ。
19歳の誕生日も独り森で迎えた。
空いた時間は森にいるご近所ホームレスのおっさんからタバコをもらい、公園在住のホームレスのおっさんとはお酒を飲んで交流していた。
いよいよ貯金も底を尽きたところで、帰国の為の航空券代を稼ぎに町へ出た。タイ料理屋でチケット代が貯まるまで働き日本へ帰った。
以上が森で生活していた彼女のノンフィクションストーリーだ。
(本記事の画像は全て当時の森生活の様子を撮影した貴重資料である)
森での生活を経て、彼女が肌で感じたこと。
人間の中で階級があるとするのなら、底辺として社会から完全に外れて
生きるということだけをした。
心は豊かだった。
お金、争い、時間や曜日の概念すらもない。
あるのは宇宙と自分。
もう一度ホームレスになりたいかと言われたら、絶対なりたくはないけれど
この先の生命を繋ぐ者として人と人が優しく温かい気持ちで暮らせるようにしていきたい。
愛 生命 宇宙
この3つのトライアングルが森の生活での答え合わせになった。
感心せずにはいられない並外れたサバイバル力と同時にツッコミどころも満載なのが彼女の魅力だ。
年頃の女の子なら友達や家族と大切な日である誕生日を迎えるのはごく一般的と言える。
しかし彼女は19歳の誕生日を
AUSの森の中で迎え
静かに満月を眺めながら
町の小学生がくれたマジックマッシュルームを食べていたらしい。
この一文の中にパワーワード詰め込みすぎ。自分でかいていて不覚にも笑ってしまった。
それにしてもなんて逞しくて生命力に溢れた子なのだろう。
初めてお互いのことを話した時、中卒で学歴もないんすよねー。と笑いながら話してくれたのが印象的だった。
学歴社会という言葉は時代遅れだ。(学歴のない私が言うと説得力のかけらもない上に負け犬の遠吠えと化す)
これからの社会を生きぬくには人間力と生命力が問われる時代だと思っている。
HONOは、生きていく上で大切なことの本質や人としてのあり方を20歳を迎える前に既に知り習得している。
心の底から
ただ者じゃない
と思うのだった。
彼女がたまにふと発する言葉も名言集として記録している。
明日生きるお金が毎日あれば良い
(物やお金に一切縛られていないからこその発言)
将来何をしたいかなんてその時の自分にならないと分からない。
(1年後のビジョンなんて持たずに常に心の声に耳を傾けて生きる姿勢がうかがえる)
どんな困難や逆境にも折れない精神力と逞しさを見習いたい。
終わりに
学歴も人生経験も未熟な私が言えることではないのだが、人生は机の上での勉強が全てではない。
彼女のように心の赴くままに人生を全うできる楽しい大人が増える未来であって欲しい。
そのためには
まず自分の人生を愛し最大限に楽しむこと。
そして仕事や趣味を通して未来あるこどもたちにも伝えたい。
大人になってもこんなに楽しいことが沢山あるよ!辛いときや哀しいときはこんな方法でのり越えて行けるよ!!というどこまでもポジティブなマインドでこれから出逢うこどもたちと接して行けたらいいなあと思っている。
Forest girl Fin
Thankyou Hono xoxo