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ロックダウン9日目

 

今日は職場で出会った21歳の女の子についてのおはなし。

 

NZのQueenstownという町で暮らし始めて1ヶ月が経った。初めは住む家もなかなか決まらず2週間はバッパー宿で生活していた。

現在はロックダウン中のため仕事はしていないが町にある日本食屋でウェイターとして働いている。16歳で初めてファミレスのウェイターを経験してから10年以上飲食店で働いている。自分に向いているのかも未だ分からないし、人の上に立つような役職になったこともない。ただ飲食店で働くことが好きで続けてきた。ここ3年は、本業はベビーシッターだが副業で飲食店や外車ディーラーのレセプションなんかもやっていた。シンプルに人が好きなんだと思う。

 

 

 

 

本題に戻そう。

 

Queenstownに着いた初日、CV(履歴書)も持たずに仕事の募集があるかを探しに町を歩いた。職探し2軒目で今の職場に辿り着いた。そこで最初に話したのがHONOだった。見た目は今時のかわいくて若さ溢れる女の子。今2階にマネージャーがいるので呼んできますね。と緊張で異常なほど背筋がまっすぐな私に気さくに話してくれた。その後すぐに面接が始まり翌週から働かせてもらえることになった。CVも持たずにノコノコ現れた奴をよく採用してくれたなあと、今思い返しても感謝しかない。後にマネージャーから聞いた話だがあの時二言程度の会話のみだったのにも関わらず、HONOがあの子絶対採用した方が良いですよ、と謎に猛プッシュしてくれたのだとか。これが彼女との出会いだった。

 

出勤初日から彼女には不思議な魅力を感じていた。21歳ですでに多くのことを経験してきたような余裕と落ち着きがある雰囲気を醸し出しながらも、話し方は今時の若者というちぐはぐな感じがまた良かった。彼女のことをもっと知りたくて時間を見つけては沢山質問をした。今思えば新人のくせにぐいぐい来る癖の強いアラサーだなあと思われていたに違いない。

 

HONOは出会って数日で今までの人生の歩みを包み隠さず話してくれた。本人に了承を得た上で簡単な経歴を載せることにする。

 

神奈川県3人姉兄の末っ子として生まれる。家族や親族は世間で言う高学歴の有名企業に勤めるエリートばかり。

幼い頃から絵を描くのが好きなこどもだった。人生の転機が訪れたのは彼女が高校生になった頃。

 

<15歳>高校生活がつまらなくなり、先生のことも嫌いだったので中退する(もちろん両親からは大反対された)

 

<15歳〜18歳> 3年間飲食店で働きお金を貯める

 

<18歳〜> ヨーロッパへ1ヶ月の一人旅。(オーストリア、スペイン、フランス周遊)

帰国後WHでオーストラリアへ。

初めて実家を出てオーストラリアにて、貯金を切りくずしながら働かずに暮らし始める。

海外生活も初めての右も左も分からない少女はシェアハウスのオーナーから騙され、通常家賃の4倍もの賃料を半年ほど払い続けた。だんだんと貯金も底をつきてくる。(オーナーを問いつめたがお金は戻ってこなかった)

貯金が残り20万になったところでシェアハウスを出る。

そこで彼女は疑問に思った。ただ生きているだけなのに、なぜこんなにお金がかかるのかと。

たどり着いた答えは、、、

 

 

家賃がかからない森の中で暮らせばいい。

 

 

 

 

 

 

ここから彼女の森生活が始まる。

 

 

後編へ続く。

 

 

 

 

 

 


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