気づけば、2020年年の瀬である。
今年はコロナのせいか余計に、1年あっという間に過ぎて行った気がする。
日本だとXmasのあとにやってくるお正月の方がビッグイベントなので、Xmas前後から1週間は慌ただしくも楽しい思い出がよみがえる。
ここ数年、海外で年末年始を過ごしている私は、とにかく不運不幸体調不良続きだ。
今年こそは、穏やかに過ごせますようにと、年の瀬になるとどこぞやの神様に祈っている。
今日は、そのときのエピソードを振り返ることにする。
まず、4年前の2016年から。この時は、タイのピピ島で、友人と年越しをした。
その年の夏、はじめてバックパック一つで行ったタイとカンボジアの旅が楽しすぎて、4ヶ月後の12月に再びタイ行きのチケットをとったのが始まりだった。
序盤から不運だった。仕事終わりにそのまま成田へ向かう日、とんでもないミスを犯した私は、帰り道ひとりで号泣していた。これは完全に自分の責任なのだが、生理初日と重なり、情緒不安定なまま幸先悪すぎる出発となった。
そこからはベトナムで友人と合流し、年越し予定のピピ島までは順調に楽しい旅行となった。
12月31日の大晦日。
タイで調子に乗って辛いものを食べ過ぎたのが祟ったのか、朝から気持ちが悪い。
午前中にホッピングアイランドツアーの予約をしていたため、体調不良のままジェットボートに乗り込んだ。
想定内の船酔いとダブルパンチで、瀕死状態になった。3時間ほどのツアーで終始外の景色もたのしめないまま、船で横たわる女を横目に、皆楽しそうにシュノーケリングなどをたのしんでいたのだけは覚えている。
その晩、ピピ島で予約していたホテルに向かうため、小さいボートで中心地から少し離れた静かな森の中のコテージへと向かった。出発してしばらくしてボートが急停止した。
すると、おじさんが二言。風が強すぎて波も高くて危険なので、これ以上先へは進めない。
ボートが沈没する可能性があるので引き返そう。
ポケモンの勝負で負けたときのように、目の前が真っ暗になった。そもそも夜だったが。
脳裏に野宿というワードがよぎる。
大晦日の日にまさかの大惨事である。予定では、静かな海辺のコテージでシャンパンでも飲みながらニューイヤーを迎えるつもりだった。引き返すボートの中でうなだれたが、そのときに見た美しすぎる満点の星空は、一生忘れないと思う。
友人は海外慣れしていて、かつ私よりも精神年齢が20倍くらい大人なのですぐに切り替えて宿を探そうと言ってくれた。
彼女のおかげでだいぶ救われた面もある。
数時間後、ピピ島繁華街の中心地にあるロッジを貸してくれる恩人に出会えた。
これが不幸中の幸いであった。
そして、無事に2017年を打ち上げ花火とともに迎えることができたのである。
一緒に行った友人には何かと迷惑をかけたが、辛い思い出よりも楽しいことの方が多くて良い旅行だった。
次の年越し話は、2018年である。
次回へつづく。