先日ブログに書いたレストランでの正式採用が決まった。
幸いにも、私のことを気に入ってくれたようで、トライアルで働いた翌日に連絡が来た。
働きだして気づいたことがある。
皆、私以外と話す時に、英語以外の言語を使っている。
まさか、、、ここって、、、
試しにスタッフの一人に出身はどこかと聞いてみた。
すると、チリよ!他のスタッフは、アルゼンチンとブラジルよ!(イエーイ、ウーサンバ!!!と幻聴がした)
と教えてくれた。南米+ジャパニーズか。SUSHIフィージョンレストランは、ブラジル人シェフ率いる店だった。
ちなみにオーナーは、NZ人である。皆親切で、陽気なのでここで働けて良かったなとさっそく安心している。
ひとつやっかいなのは、メニューだ。
日本人としては黙っておけないものがよりどりみどりなのである。
例えば、Beef Yakitori 。
もう牛なのか鳥なのか分からない。焼き鳥の、デフォルトはチキンだということを彼らは知っているのだろうか。
注文を繰り返す際に、ビーフヤキトリと、それっぽく発音し、澄まし顔で言う自分を度々笑ってしまいそうになる。
次に、furay tempra 。天ぷらだけじゃだめ?Furayのスペルもよく分からんし、二度あげかってくらいコテコテの油っこいやつ出てきそうだなと思う。実際に、かなり衣が厚めのコテコテなやつが、天つゆではなく、甘ったるいソースとマヨネーズで提供されるのである。
天ぷらはもっぱら塩か天つゆで育ったこちらとしては、マヨネーズと謎の甘いソースを見るたびに少し気持ちが悪くなる。
しかしこの謎の甘ったるいソースが人気すぎて、追加注文して寿司にまでつけている。
もう日本の伝統式がどうたらだとか、ほざいている場合ではない。
豪に入れば郷に従えなのだ。
メインは、完全にこちらの人たちが喜びそうなインターナショナルな寿司ばかりを扱っているので、カリフォルニアロールのようなものばかりで、サイドメニューに少しだけNigirisushiがある程度だ。
たまに、日本の寿司と似てる?と聞かれるので、正直に全然似てないよ!と伝えている。
でもどっちも美味しいよ!と、フォローはすかさず入れている。
ドリンクメニューも豊富で、聞いたこともないオリジナルカクテルパラダイスだ。
お客さんにこのスピリッツは何?と聞かれたのが、本当に一度も耳にしたことがないスピリッツで、スタッフに聞きに行くと、かなり強めのチリ産のだよ!とわりと曖昧な答えが返って来て、説明した私も分からないという失態を犯したりもした。
ジャパニーズ押しなレストランの割に、さりげなくチリアピールもしてくるんだな、と思った。
お店はこのコロナ渦でも大人気で、毎晩予約で満席だし、みんな美味しいと喜んでいるので何よりだ。
そして、感動したのはサービスの質の高さである。日本のグローバルダイニングという会社でアルバイトしていた時と同じように、お客さんの食べるスピードや、量をウェイターが見ながら、タイミングよく料理を出せるホスピタリティを重視している。
NZではなかなかこのようなお店での接客を受けたことがないので、このやり方はとても気に入っている。
ウェイターの担当したテーブルを管理する能力と、キッチンとの上手い連携が問われるのでやりがいがある。
私の語学力が足りないばかりに、ゲストの言っていることを何度か聞き返すときがある。
たまに、この人頭が弱いんだねと、笑って馬鹿にされることもあるが、そういう人を馬鹿にする行為は、とても品がないでざますよ。と、心の中でなぜかスネ夫のお母さん口調になりながら言い返している。
でも、9割くらいが優しいゲストなので、これからもめげずに失敗しながらやっていこうと思う。
他のスタッフが、キウイスラングもかなり使われるから、分からなかったらすぐに聞きにきてねと、フォローをしてくれてありがたかった。
これから毎日カーニバル気分で、お客さんを愉しませることができたらいいなと思う。
おわり